色褪せないリノベデザインの考え方。
繰り返されるリノベデザインのトレンド。
こんにちは!ライターの伊藤です。私は店舗・住宅の内装施工会社でデザイン及び工程管理などを担当しています。そんな私が日々の業務の中で感じているのは、「リノベーションデザインのトレンドって繰り返してる?」ということ。
そうです、音楽やファッションと同様にリノベデザインのトレンドも繰り返しているのです!
トレンドが変われど良いものはやっぱヨイ!
トレンドは移ろうものですが、いつの時代も人気のデザインテーマというものがあります。これらには共通項として土着的で実用的、そしてシンプルであることです。
そこで今回は飽きのこない所有欲を満たしてくれる「リノベデザインのテーマ厳選5」をご紹介いたします。
いつの時代も人気のテーマ厳選5
NO.1 カントリーSTYLE
カントリーと言ってもその定義は様々です。
代表されるのは「ウエストコースト」「アイリッシュ」「スウェディッシュ」など、お国柄によってその形態は様々ですが、ここでいうカントリーを定義するならば、「木目を活かした暖かみのあるフレンドリーなデザイン」というキーワードが合致します。代表的な店舗でいうと「Ron Herman」のお店づくりはキレイめウエストコーストカントリーの代表選手と言えるのではないでしょうか。
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No.2 シンプルモダンSTYLE
シンプルモダンスタイルは直線を基調とした無機質なデザイン。カラーセレクトはモノトーンベースでアクセントクロスなどの差し色もグレートーンをチョイスします。家具や家電との馴染もよく比較的に工費が安価なため、挑戦しやすいデザインテーマと言えます。
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No.3 インダストリアルSTYLE
インダストリアルとは直訳すると「工業的な」が正しいのですが、リノベのテーマとなると「工場風デザイン」という方が正解でしょう。工場のようなコンクリートの打ちっぱなしの界壁にスチール製の家具など、無骨な仕上がりが特徴です。マンションのスケルトンリノベの定番ですが木造建築でこのテーマを再現するのは構造上難しいでしょう。
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No.4 ブルックリンSTYLE
最近、店舗・住宅ともに人気のテーマがブルックリンSTYLE。インダストリアルと混同しがちですが(ミックスしても全然OK)別物です。アメリカ東海岸の工業都市ブルックリンの住宅街をイメージしたデザインで、レンガ、モルタル、タイルなどをエイジング加工し仕上げ材とすれば、それっぽく仕上がりますよ。
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No.5 ジャパニーズモダンSTYLE
ジャパニーズモダンスタイルは古来の日本家屋を模したデザイン。できれば太い柱と梁のある古民家でチャレンジしたいテーマですね。特徴としては体力柱を「表し」(むき出し)、界壁を珪藻土や漆喰の塗り壁で仕上げ、幅広の床板と畳の混構造で仕上げると雰囲気満点。しかし古民家は大広間を襖や障子で仕切っているため、柱や梁が太くその迫力が魅力となりますので、このテーマで物件を選ぶならぜひ古民家を。
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素材感が大切!なんちゃってに御用心。
建材の石油製品はほとんどが模倣品。
建材には本物の素材を真似たプリントモノが存在します。
例えば、一般的にフローリングと呼んでいるものは積層板の表面に木目を印刷したプリント板です。本物の木目のフローリングは「無垢フローリング」と言います。また、壁紙クロスは「石目」「織物」「塗り壁」などのパターンを型押ししたもの。さらにいうとクッションフロア、フロアタイルなどの石油製品のほとんどは在来建材の模倣品と言えます。
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プリントモノ。どこまで許せる?
いくら本物指向といえどもプリントモノを全て排除するとリノベは成り立ちません。
そもそもこんなにプリントものが普及するのには理由があります。石油製品は耐久性があり、経年劣化が少なくメンテナンス性が抜群に良いのです。これを踏まえて考えると石油製品を採用すべきところには積極的に投入しても良いのではないでしょうか。
現実的なプリントモノの使い所
それではどのように無垢材とプリント製品を使い分ければセンス良く仕上がるのか?施工例をご紹介しますので、プランのご参考にどうぞ。手前味噌でスミマセン。
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- ・壁面 ・・・・塩ビクロス+塗装
- ・リビング、居室の床・・・・無垢材フローリング(オーク:OSMO WAX)
- ・キッチン、トイレ床・・・・合板プリントフローリング(EIDAI:里床)
- ・脱衣所の床・・・・・・・・フロアタイル(サンゲツ)
- ・玄関土間・・・・・・・・・モルタル打設
- ・玄関壁・・・・・・・・・・ブリックレンガ(シャビー塗装)
施主様のリクエストは「日常のメンテナンスが楽で、落ち着いたナチュラルな色調の部屋」ということで、壁紙は拭き掃除できるようにクロスを貼り、フロアは合板と無垢材をミックスしてコストを下げました。