最近話題のリノベ済みマンション。新築マンションよりもかなり割安に購入できることから人気となっております。しかし!リノベ済みマンションって本当にお得なの?自分でリノベした方が安いのでは?そんな疑問を一発解消!
リノベ済みマンションとリノベ前マンションのメリット&デメリットを徹底比較!
どちらがお得に住み替えできるのかを深掘りします。
リノベ済みマンションの方がトータルコストは安い。
リノベーションとフルリフォームの違いについて
マンションリノベーションの場合、間取りを全て解体し駆体まで戻ってから部屋割りを再構築するスケルトンリノベと、部屋のレイアウトは変えずに天井、壁、床の仕上げ材の新調、ユニットバスやキッチンなどの住設を総入れ替えするフルリフォームに分類されます。
再販業者が販売するリノベ済みマンションというのは後者の「フルリフォーム」ものもがほとんどです。
スケルトンリノベとなると工期が長くなり施工コストがかさむのと、新規配管敷設やレイアウトチェンジによる不具合のリスクが上がるので、既存レイアウトを活かした「フルリフォーム」に落ち着くからです。
「それってリノベじゃないよね。」という声も聞こえてきますが、その通り。リノベーションとリフォームには明確な線引きがなく、言ったもん勝ちなのです。
再販業者がリノベではなく、フルリフォームで販売する理由
さて、スケルトンまで解体しないからと言って、フルリフォームが悪いという訳ではありません。むしろフルリフォームで仕上げたという事は、リノベ前の間取りが需要に合ったレイアウトをしており、解体するまでもなく「この間取りで売れる」という判断がったということ。配管、配線類もそのままで使用に耐えうるコンディションであったということにもつながります。
さらにいうと再販業者がスケルトンリノベした物件は、天井高が低すぎたり間取りが窮屈だったり、配管が腐っていたりとスケルトン状態まで解体する理由があったということ。
先に述べた通りスケルトンリノベは解体、大工工事などの建築コストがかさみます。
スケルトンリノベをする理由がないのであれば、販売価格を抑えられる「フルリフォーム」を選ぶのは当然と言えるでしょう。
冒頭から結論。総コストはリノベ済みマンションの方がお得!
それでは再販業者が販売するリノベ済みマンションと中古のリノベ前マンションを購入し、内装工事業者にリノベーションしてもらった場合の総コストはどちらがお得なのか!
当社で施工したリノベ物件の例を元に算出してみました。
リノベ済みマンション | 中古購入後リノベーション | |
物件購入価格 | 3300万円 | 2300万円 |
リノベーション費用 | 0 | 900万円 |
工事中の仮住まい家賃 | 0 | 30万円(3ヶ月) |
合計 | 3300万円 | 3290万円 |
上記の表では10万円だけリノベ済みマンションが高いのですが、中古物件を購入後にリノベする場合は、施主様の拘束日数が打ち合わせと現場の施主確認などに、延べ20日費やしました。この会社を休業した給与分や通信費、交通費、車両費などを合算すると総コストは約40万円!これを合算するとリノベ済みマンションの方が安いのです。
- まとめ
- リノベ済みマンションを買うよりも、リノベ前マンションを購入してリノベーションした方が少しだけ安い。
- しかし、その他の経費、労力を加算すると総コストは逆転する。
- 物件が気に入ってインテリアにこだわりがなければリノベ済みマンションがおすすめ。
- 間取りやデザインが気に入らないならリノベ前マンションを購入後リノベするしかない。
リノベ済みマンションのメリット&デメリット
リノベ済みマンションを購入しようとお考えの方の疑問や不安を少しでも解消できるようにリノベ済みマンションのメリット&デメリットをまとめました。
- 購入後すぐに住むことができる
- 完成形を見てから購入できるので新生活がイメージできる
- 結果的に総コストが安い
- 工事に関わらないので入居までの手間が少ない
- 工事中の苦情や事故の心配がない(責任がかからない)
- 自分で間取りを作れない
- 自分で内装仕上げ材を選べないことが多い
- 量産グレードの住設で我慢するしかない
- 配管や配線など隠蔽箇所のチェックができない
- ぼったくリノベには御用心!
不安解消のためにも購入しようとしている物件が「価格に見合ったリノベーションがされているのかどうか」を計算してみる事をおすすめします。
計算式
❶リノべマンションの価格ー❷同じマンションの別部屋の中古価格=リノベ費用
※同じマンションに中古販売物件がない場合は近隣のほぼ同条件のマンションで計算。
単純計算ではありますがリノベ費用が異常に高い場合は、リノベ前の中古マンションを買って自分でリノベするという選択肢も出てきます。
「リノベ済みマンションでは満足できない!自分でリノベしてみたい!」というあなたのためにマンションリノベに関するメリット&デメリットをどうぞ。
- 自分の思い通りの間取りを作れる
- 好きな内装仕上げ材を選べる
- ハイグレードの住設も導入可能
- 配管や配線など隠れた部分も確認できるので安心
- 購入予算、工事予算、経費など全て把握できるので納得。
- 購入してもリノベが終わるまですぐに入居できない
- 完成形が予想しづらいので新生活をイメージしにくい
- 結果的に総コストが高くなる傾向にある
- 工事の打ち合わせや施主確認などで時間的拘束と労力を要する
- 工事中の苦情や事故の最終責任は施主も逃れられない
以上がリノベ前マンションを購入し自分でリノベする場合のメリット&デメリットです。
内装工事に携わった事がない方であれば、工事の心労や肉体的疲労は相当過酷なものです。リノベ経験が豊富な内装工事業者のアドバイスのもとにハーフビルド(できるところだけ自分で工事をすること)をおすすめします。
ぼったくリノベ済みマンションを見極めろ!
前章で述べた通りリノベ済みマンションは意外にもリーズナブルであることが多いのですが、それはあくまでも善良な再販業者さんの適正価格でのこと。世の中には適正とは言えない価格のリノベ済みマンションも販売されています。
ここではリノベ済みマンションを賢く買うコツをまとめましたので、参考にしてください。
再販業者が利益を増すために行う5つのコストカット
リノベ済みマンションを販売する業者は不動産会社、工務店、設計事務所など様々。
どの業者が販売する場合でも利益構造は同じで「いかに安く仕入れて、最小の工費に抑え、宣伝広告費の費用対効果を上げる。」そうコストカット!これに尽きるのです。
もちろん売れる物件である為には、デザイン性が良く機能的で利便性に優れていることが重要なのですが、コストカットが先に立って、部屋自体の住み心地は予算次第で削られていくのです。
さらに言えば、リノベ済みマンションの販売価格というのは、地価や物件相場ありきで、近隣の新築マンションやリノベ済みマンションに対して、競争力のある価格設定でなければならないため、自ずと販売価格が決まってしまうのです。
これはデザイン性を謳う設計事務所が販売する物件でも、例外なくこの構図に則って予算組みをしています。
以上のことを踏まえて、ズバリ言うわよ。
その1、競売などの事件ものや、事故物件を含めて格安物件を積極的に仕入れて再販している。
2、築年数が古すぎて管理費や修繕費が異常に高い物件は安く仕入れられるので仕入れ対象。
3、再販業者さんは施工業者を常用雇用しているので工期が短いと施工費が安く上がるので、とにかく突貫工事。
4、建材類は賃貸グレードを多用しコストカット
5、広告は景品表示法違反スレスレでチャレンジしてくる。
- ここまでで紹介した事例は不真面目な再販業者のコストカットの一例です。善良な再販業者さんは適正価格で法に則って商売していますので誤解のないように!
あくまでも不良物件に関わらないためのポイントとして参考にしてください。
・リノベ済みマンション購入時の確認事項のまとめ
- 登記簿を確認する
- 告知事項がないか確認する
- 管理費、修繕費を含めてランニングコストを計算する
- 仕上がりが綺麗か、不自然な点はないか
- 住設や建具のグレードを調べる
リノベ済みマンションと中古マンション購入後リノベする場合のコストの単純比較では、リノベ済みマンションの方がトータルコストではお得。
しかし肝心の間取りや内装が気に入らないのであれば、わずかに割高にはなりますが自分でリノベすることをおすすめします。
この先何十年も過ごす大事な家ですし、一生涯でそう何回も訪れるイベントではありませんので、我慢や後悔のないように決断してください。
それと先にも述べましたが「自分一人でセルフリノベする」というのは相当な時間と労力を要しますので、設計会社や工務店の力を借りるハーフビルドをおすすめいたします。