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コラム

よく解る「木目」講座

建築物を暖かく温もりのある雰囲気に仕上げてくれる「木」。内装、外装、家具、小物などその活躍の場は幅広く、似合わない場所を探す方が難しいかもしれませんね。
今回はそんな「木の表情」とも言える「木目」について深掘りしていきましょう。

木目の大分類

木目には複数の種類がある事を知っていますか?製材機でカットして出来た表情によって振り分けるのではなく、製材の方法によって狙って造るのです。その狙い方の大分類がコチラの二種類『板目』と『柾目』。それぞれの特徴を解説します。

板目(いため)とは

板目は木材を垂直方向にスライスした際の表面付近に現れる木目で、伐採前の環境や枝による節などでランダムな木目が現れるのが特徴です。多方向に目が走っている為、強度が高く、家具や建具などにも多く使われています。一本の木から取れるれ分量が多いので標準的な価格で流通しています。

柾目(まさめ)とは

柾目は木の中心部分からしか採れない木目で、希少価値が高いため価格も高価になる場合が多くなります。その木目はキレイな平行線を描き、板目と比べると整然とスッキリした印象の模様となります。

プレミアムな目「杢目」(もくめ)とは

杢目とは板目でも柾目でも無い稀に生まれる複雑で美しい模様を描いた木目のことを指します。樹齢300年の銘木などから採取されることが多く、希少で大変高価な材となります。杢目には沢山の種類があり、製材する樹種により名前が変わってきます。下の表がその一例です。

縮み杢(ちぢみもく)・タモ ・トチ ・マホガニーなど
縞杢(しまもく)・ゼブラ ・マホガニーなど
鳥眼杢(ちょうがんもく)・カエデ ・カラマツなど

柾目のいろいろ

上記のように杢目に様々な種類があるように、柾目にもたくさんの種類があります。杢目ほどプレミアムではありませんがコチラもなかなか希少価値の高い木目です。
柾目についてもう少し深掘りしてみましょう。

糸柾(いとまさ)目

糸柾目とは約1mm~2mmの糸のように狭く密に刻まれた柾目の材のことを指します。樹齢の長い大木からしか採れないこともありとても貴重な材料です。その美しい木目は建材のほか、伝統工芸にも多く使用されています。

荒柾(あれまさ)目

糸柾目の真逆の模様を持つのが荒柾目です。ランダムに描かれた木目は力強い雰囲気を醸し、杢目に似た表情を見せてくれます。杢目材と同じく、将棋の駒や下駄などの工芸品によく使われています。

流れ柾(ながれまさ)目

板目と柾目の間をとった雰囲気の模様が「流れ柾」です。キレイな垂直平行線を描く柾目に対して、斜めに木目が流れているのが特徴で、「追い柾」(おいまさ)」や「半柾(はんまさ)」とも呼ばれています。

製材箇所による特徴

木材の面白いところで、製材後も木は動きます。やっぱり木は生き物ですね。使用する向きや表裏を見誤ると施工後にトラブルにつながる事もあるので、材料の性格を理解して適切な施工を心掛けましょう。

板目材の「木表」と「木裏」

板目材には「木表」と「木裏」が存在します。樹木の外側に当たる面が「木表」で「木裏」はその逆。判別するには材料の小口を確認します。年輪が山になるように置いた時の上面が木表になります。含水率が高い材料などは、施工後に乾燥すると木表側に反りが出ることがあります。安価な無垢材などは、乾燥が甘く施工後にビスを跳ね上げて反ってくることもあるので注意が必要です。基本的には木表側の方が木目が美しく仕上げ面に使用します。

「元」と「末」

コチラは表裏と違って全ての材料に当てはまります。樹木が立っている状態の根本の部分が「元」で上にくる部分が「末」です。見分け方は以下の3通りで概ね判断できると思います。基本的には樹木が立っていた状態と同じく、元を下に建てた方が強度が高く長持ちすると言われていますので覚えておいた方が良いでしょう。

◯木目の表面を見る
柾目や杢目などは分かりにくいかもしれませんが、年輪が筍状に表れている部分の筍の先端側が末で根本側が元になります。
◯小口を見る
小口に表れている年輪の間隔が広くなっているのが元で密になっているのが末です。
◯節を見る
表面に節目がある場合、節の芯が寄っている側が末で広くなっている側が元です。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。
木目には沢山の種類があり、とても全ては紹介しきれておりません。また機会があれば、更なる木目の世界をご紹介したいと思います。
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